原発性肺癌との鑑別が困難であった肝内胆管癌術後肺転移の1切除例

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  • The difficulty of distinguishing between a solitary pulmonary metastasis derived from intrahepatic cholangiocarcinoma and primary lung carcinoma: A surgical case

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抄録

肝内胆管癌(ICC)の肺転移は,発見時には両側多発性や多臓器転移を伴っていることが多く,単発性肺転移の報告は稀である.今回私たちは,原発性肺癌との鑑別が困難であったICC肺転移の1切除例を経験したので報告する.症例は70歳,男性.ICCにて肝切除術を受けた48ヵ月後に胸部CTで右肺上葉に単発性結節を指摘され,当科を受診した.術前検査では確定診断を得ることはできなかった.原発巣切除後48ヵ月を経ており他に明らかな再発巣を認めず,ICCの単発性肺転移は極めて稀であるので,原発性肺癌を疑い右上葉切除リンパ節郭清術を施行した.切除標本の免疫組織学的検索でICC肺転移と診断された.悪性腫瘍肺転移と原発性肺癌との鑑別が困難な肺腫瘍の手術適応の決定には,慎重な検討が必要と思われた.

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