頸椎手術後の髄液漏により頭蓋内硬膜下血腫を生じた1例

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抄録

頸椎手術後の髄液漏により頭蓋内硬膜下血腫を生じた1例を経験した.症例は77歳女性で頸椎後縦靭帯骨化症(以下OPLL)に対して頸椎椎弓形成術をおこなった.術後1ヵ月で頭痛,複視の訴えあり近医脳外科受診,頭蓋内硬膜下血腫の診断で同日緊急血腫除去術を施行された.その後の精査で後頸部に偽性髄膜瘤を指摘され,低髄圧に伴い頭蓋内硬膜下血腫が発生したことが疑われた.その後経過観察していたが,偽性髄膜瘤の改善がないため血腫除去術から6週後に髄液漏の閉鎖術をおこない症状の改善をえた.現在,術後1年経過したが,再発所見なく神経症状も改善がえられた.頸椎術後の偽性髄膜瘤により低髄圧が持続し,頭蓋内硬膜下血腫が生じたと思われる症例を経験したので,これを報告する.

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