超音波エコーを用いた橈骨遠位端掌側面と長母指屈筋腱との位置関係の検討

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抄録

【目的】橈骨遠位端骨折術後の合併症として長母指屈筋腱(以下FPL)断裂が問題視されており,健常者におけるFPLの走行とwatershed line(以下WS)との位置関係を超音波エコーで評価し,プレート設置におけるFPL断裂のリスクを検討した.【対象と方法】当院職員および手の疾患以外の入院患者計60例を対象とし,超音波エコーの機種は日立メディカルのprosound C3 cv(6 MHz)を用いた.【結果】WSとFPLとの距離は中間位で平均1.40mm,背屈位で0.28mm短くなった.方形回内筋の最大筋腹幅は男性5.06mm,女性4.28mmで統計学的有意差を認めた.【結論】超音波エコーを用いることで,FPLとWSとの関係性を簡便かつ低侵襲に評価できた.FPLとWSの距離は平均1.40mmと狭く,近位設置型で先端の厚みが小さいプレートを用いることでFPL断裂のリスクを減らせると考えられた.

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