″yes-yes″型の頭部振戦をともなった多発性硬化症の1例

  • 尾股 慧
    東北大学大学院医学系研究科神経・感覚器病態学講座神経内科学分野
  • 鈴木 直輝
    東北大学大学院医学系研究科神経・感覚器病態学講座神経内科学分野
  • 井泉 瑠美子
    東北大学大学院医学系研究科神経・感覚器病態学講座神経内科学分野
  • 永田 真理
    東北大学大学院医学系研究科神経・感覚器病態学講座神経内科学分野
  • 西山 修平
    東北大学大学院医学系研究科神経・感覚器病態学講座神経内科学分野
  • 中島 一郎
    東北大学大学院医学系研究科神経・感覚器病態学講座神経内科学分野
  • 糸山 泰人
    東北大学大学院医学系研究科神経・感覚器病態学講座神経内科学分野

書誌事項

タイトル別名
  • A case of multiple sclerosis with "yes-yes" type head tremor
  • "yes-yes"型の頭部振戦をともなった多発性硬化症の1例
  • yes yes ガタ ノ トウブシンセン オ トモナッタ タハツセイ コウカショウ ノ 1レイ

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抄録

症例は32歳の女性である.2009年5月に右口角の力が入らなくなったが自然軽快した.2010年1月に頭部の前後方向の振戦が出現し,3月には右上肢の痛み・異常感覚を自覚した.4月にはLhermitte徴候をみとめ,MRIにて大脳白質と頸髄に多発する病変をみとめた.頸髄病変では一部造影増強効果もみられた.髄液オリゴクローナルバンドが陽性であり多発性硬化症(MS)と診断した.メチルプレドニゾロンパルス療法により右上肢の痛み・異常感覚は減弱し,クロナゼパムにより頭部振戦は改善をみとめた.いわゆる"yes-yes"型の頭部振戦はMSに比較的特徴的とされる一方,本例の如く振戦が頭部に限局する例は非常にまれである.また,MSにともなう振戦の責任病変として小脳・視床が指摘されてきたが,頭部振戦の責任病変は明らかになっていない.本例ではMRI上頸髄のみに造影病変をみとめたため,頭部振戦の病態に頸髄病変が関与している可能性が示唆された.<br>

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参考文献 (12)*注記

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