巨大気腫性肺嚢胞と十二指腸潰瘍穿孔による汎発性腹膜炎を同時に手術した1例

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タイトル別名
  • A Successful Operation on Right Huge Emphysematous Bullae and Panperitonitis Caused by Simultaneous Duodenal Ulcer Perforation

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抄録

66歳,男性。主訴は,呼吸困難,腹部膨満感と吐血。3年前に慢性肺気腫,右肺気腫性嚢胞と診断されていた。胸部CTにて右巨大肺嚢胞の圧排による縦隔偏位を認めた。また胸部X線撮影ならびに腹部CTで消化管穿孔を示すfree airを,腹部所見で筋性防御を認めたため消化管穿孔による腹膜炎と診断した。右肺気腫性嚢胞の膨張によると思われる呼吸状態の増悪を認め,右肺気腫性嚢胞と腹膜炎に対し同時に緊急手術を施行した。手術直前に手術室にて上部消化管内視鏡検査を行い,胃角部および十二指腸前壁に活動期の潰瘍を確認した。開腹下に十二指腸潰瘍穿孔部への大網充填術と腹腔内を十分に洗浄し,Douglas窩,右横隔膜下,網嚢孔にドレーンを留置した。胸部は胸腔鏡補助下に右肺嚢胞切除術を施行した。術後は,急性肺水腫,大葉性肺炎を合併し人工呼吸器管理を必要としたが,集学的治療で軽快した。

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参考文献 (17)*注記

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