肝硬変に合併した特発性食道破裂の1例

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タイトル別名
  • Spontaneous Esophageal Rupture Associated with Liver Cirrhosis
  • : A Case Report

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抄録

症例はアルコール性肝硬変(Child-Pugh分類Grade C)を有する62歳男性で,嘔吐に続く呼吸苦を主訴に嘔吐4時間後に当院を救急受診。食道造影にて下部食道右側壁に径1cmの破裂部を認め,右胸腔内穿破型の特発性食道破裂と診断。基礎疾患の重症度を考慮し,右胸腔穿刺ドレナージ・破裂部口側への経鼻的減圧チューブ挿入・中心静脈栄養管理・オメプラゾールと抗菌薬投与による保存的治療を選択した。第2病日に急性呼吸促迫症候群を併発し,気管挿管下の機械的人工呼吸管理とシベレスタットナトリウム投与を行い,第14病日に気管切開を行い,第22病日に呼吸器から離脱した。しかし分岐鎖アミノ酸製剤投与にても意識障害が進行し,連日のドレーン洗浄にもかかわらず緑膿菌検出を伴う胸水流出が持続し,第28病日の食道造影にて破裂部の存続を認めた。以後,進行性の肝・腎機能低下を認め,第34病日に肝不全のため死亡した。

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参考文献 (10)*注記

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