胆嚢捻転症の臨床的検討

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  • Five Cases of Torsion of the Gallbladder

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抄録

2005年から2010年に当院で経験した胆嚢捻転症5例において術前診断に有用な所見について検討した。5例中2例は造影CTでの胆嚢壁の造影効果欠如,冠状断像での胆嚢管の先細り・ねじれ像,カラードプラ超音波検査での胆嚢壁内血流シグナル消失を認め,術前診断しえた。これらは胆嚢捻転症を示す直接的所見として有用である可能性が示唆された。また5例全例に共通して認められた所見として,身体所見では高齢女性・るいそう・亀背・右季肋部痛,CT所見では著明な胆嚢腫大・遊走胆嚢・胆嚢壁の出血性壊死を示唆する単純CTでの35~65 Hounsfield unitの胆嚢壁内high density areaがあり,これらは胆嚢捻転症に高頻度に認められる間接的所見と考えられ,これらを認めた場合は造影CTでの冠状断像やカラードプラ超音波検査を追加することで早期の胆嚢捻転症の術前診断が得られる可能性が示唆された。

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参考文献 (17)*注記

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