小児子宮付属器捻転に対し腹腔鏡下手術を施行した4症例

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タイトル別名
  • Laparoscopic Treatment for four Cases of Uterine-Adnexal Torsion in Childhood

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抄録

子宮付属器捻転は小児腹部救急疾患の1つであるが,鑑別診断は難しく診断の遅れにより卵巣および卵管を切除せざるを得ない場合がある。症例は,4歳,5歳,13歳,9歳の女児で,それぞれ右正常卵巣,右卵巣奇形腫,右傍卵管嚢腫,左傍卵管嚢腫の捻転であった。主訴として,腹痛,嘔吐が多くみられ,血液検査上,特異的所見はみられなかった。発症から手術までは,それぞれ2日,3日,3日,5日と,診断までに時間を要していた。卵巣捻転に対する検出能は,CTに較べてMRIがより優れているとの報告があるが,急性腹症の原因が絞り込まれていない段階では広くスクリーニングできるCTの方が頻用されるため,CT上で特徴的な画像を呈した場合,間を置かずに腹腔鏡手術で診断することも重要と考えられる。女児では,腹部救急疾患として子宮付属器捻転を念頭に置くべきで,その際腹腔鏡手術は診断の確定および治療に有効であることが示唆された。

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参考文献 (17)*注記

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