血行再建を行った末梢側腎動脈瘤の1例

  • 松本 三明
    津山中央病院心臓血管センター心臓血管外科
  • 久保 陽司
    津山中央病院心臓血管センター心臓血管外科
  • 鳴坂 徹
    津山中央病院心臓血管センター心臓血管外科
  • 橋本 将志
    津山中央病院心臓血管センター心臓血管外科

書誌事項

タイトル別名
  • A case report of complex renal artery aneurysm repair
  • 症例 血行再建を行った末梢側腎動脈瘤の1例
  • ショウレイ ケッコウ サイケン オ オコナッタ マッショウガワジンドウミャクリュウ ノ 1レイ

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抄録

症例は48歳,男性.左季肋部不快感を訴え来院した.CT検査にて,左腎動脈末梢側分岐部に2.8 cmの動脈瘤を認めたため,手術を行った.正中開腹でアプローチし左腎を可能な限り正中側へ脱転し,腎動脈腹側枝2本と,背側枝1本をそれぞれ大伏在静脈(SVG)2本で再建した.腎保護は氷片による表面冷却と腎保護液(4℃乳酸リンゲル液500mLにヘパリン2ml,メチルプレドニゾロン125mg混注)250mlを最初は動脈瘤から,瘤切開後は30分毎に100mLずつそれぞれ分枝から,そして再建後はSVGから注入し,腎静脈から排出した.腎冷阻血時間は230分であった.推算糸球体濾過量(eGFR)は一時的に低下したが,徐々に改善し6カ月後には術前と同じ値に回復した.末梢側に発生する腎動脈瘤は再建が複雑で困難なことが多く様々な方法が報告されており,術前の詳細な検討が重要である.

収録刊行物

参考文献 (16)*注記

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