基礎 心臓の発生「房室中隔の発生」

  • 山岸 敬幸
    Department of Pediatrics, Keio University School of Medicine

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タイトル別名
  • Development of atrioventricular septum

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抄録

房室中隔は右心房と左心室を隔て, 心房中隔と心室中隔に連なる組織である. 房室中隔は房室管の心内膜床から発生する. 原始心筒がloopingし, 心房・心室が形態的に明らかになる頃, 房室管部では心ゼリーが残存・増生する. 心内膜から上皮間葉転換により遊離して形質転換した間葉系細胞が, その心ゼリーの中に侵入し, 心内膜床が形成される. 心内膜床は, 主に上方(背側)および下方(腹側)から隆起して発達する. 上・下心内膜床の中央部での癒合により房室中隔が形成され, 房室管が右側と左側の房室弁口に分割される. 上・下心内膜床は房室管に対して垂直な方向にも伸展し, 心房中隔一次孔の閉鎖と膜様部心室中隔の形成にも関与する. 房室中隔, 心室中隔, 心房中隔の発生異常により, 多くの先天性心疾患が発症する.

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参考文献 (5)*注記

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