妊婦ライフスタイルの変遷と二分脊椎の発生リスク

書誌事項

タイトル別名
  • CHANGES IN LIFE STYLES OF PREGNANT WOMEN AND RISKS FOR HAVING A PREGNANCY AFFLICTED WITH SPINA BIFIDA
  • ニンプ ライフスタイル ノ ヘンセン ト ニフン セキツイ ノ ハッセイ リスク

この論文をさがす

抄録

(目的) 二分脊椎は葉酸を内服するとその約半数を予防可能な先天性奇形であるが,本邦の発生率は低下傾向を示さない.妊婦のライフスタイルが二分脊椎の発生リスクを低減する方向へ向かっているか調査する. (対象と方法) 2002~11年にかけて妊婦からライフスタイル調査票(11,861通)と,2003~11年にかけて食事記録票(1,081通)を回収した. (結果) 過去10年間にわたる妊婦のライフスタイル調査により,(1)葉酸認知率と葉酸サプリメント内服率は,各々15.3と9.1%から43.7と61.5%へ上昇し,(2)全国8地方の地域差を検討すると,葉酸サプリメント内服率は東高西低の有意な傾向を示し,(3)妊婦の主要なライフスタイルは2003年以降ほぼ一定していた:計画的に妊娠した割合は67%,自らの妊娠を妊娠6週以内に確認したのは70%,栄養バランスに留意していたのは65%,禁煙と禁酒は各々95%と96%が守っていた.食事記録票の解析により(1)妊婦が食事から摂取する葉酸量は,調査年に応じて260~360 μg/日に分散し,厚生労働省の推奨量には程遠いが,(2)妊娠前期妊婦が妊娠前4週から妊娠12週まで葉酸サプリメントを内服した割合は,7.4%から69.6%へ上昇した. (結論) 妊婦のライフスタイルは過去10年間にわたり,二分脊椎の発生リスクを低減する方向へ向かっている.

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (39)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ