長期経口避妊薬服用患者に生じた炎症性肝細胞腺腫の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A case of inflammatory hepatocellular adenoma associated with oral contraceptive use
  • 症例報告 長期経口避妊薬服用患者に生じた炎症性肝細胞腺腫の1例
  • ショウレイ ホウコク チョウキ ケイコウ ヒニンヤク フクヨウ カンジャ ニ ショウジタ エンショウセイ カン サイボウセン シュ ノ 1レイ

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抄録

肝細胞腺腫(HCA)は本邦では稀な腫瘍であるが,経口避妊薬使用の増加により今後増加すると思われる.同薬内服女性にみられたHCAを報告する.症例は32歳の女性.体重減少を主訴にCTで多発多血性肝腫瘤を指摘されて受診.主結節近傍に娘結節が散在し,肝細胞癌を否定できず,肝右葉切除の方針とした.術前からの経口避妊薬中止のためか,術中腫瘤は不明瞭で迅速病理でも悪性所見なく,S5腫瘤核出のみ施行.腫瘤は類洞の拡張と毛細血管化,unpaired artery増生,門脈域の欠落を認め,β-catenin陰性,SAA陽性で炎症性HCAと診断した.その後は縮小,不明瞭化,T2等信号化がみられている.近年,HCAはその予後と関連ある分子病理学的分類に改訂され,それにより方針決定がなされる.本例は肝内転移様の画像から悪性を否定できず手術としたが,経口避妊薬中止と,免疫組織学的検討が重要であった.<br>

収録刊行物

  • 肝臓

    肝臓 54 (6), 381-390, 2013

    一般社団法人 日本肝臓学会

被引用文献 (4)*注記

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参考文献 (49)*注記

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