ステレオガイド下マンモトーム®生検の検討

書誌事項

タイトル別名
  • Evaluation of Stereotactic Mammotome® Biopsy
  • Evaluation of Stereotactic Mammotome® Biopsy
  • ―画像の診断精度と経過観察方針について―
  • ―Diagnostic Quality of Mammography Figures and Our Follow-up Strategy―

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抄録

【目的】当施設のステレオガイド下マンモトーム®生検(以下,ST-MMT)を施行した症例を元に,マンモグラフィ(以下,MMG)の画像診断精度と組織診断を評価し,さらにST-MMT後の経過観察の方針を考察する。【対象と方法】2009年1月~2011年3月にST-MMT を施行した240例のMMGと病理組織,および良性・要経過観察例(FEAやADHなど)の経過を検討した。【成績】(1)MMGカテゴリー5の読影でST-MMT 施行はなく,全例エコー下での検査で診断されていた。(2)ST-MMTによる良性診断は179例で,当院通院98例のうち3例に石灰化とは関係のない癌が発見された。他の良性95例の画像変化は認めていない。(3)ST-MMT による要経過観察20例はMRI,さらに追加切除が勧められ,3例(15%)にnon-high grade DCISを認めた。DCISの1例には複数回の追加切除を必要とした。(4)最終病理診断による悪性44例は,MMGカテゴリー3で13%,カテゴリー4は40%であり,8割以上はDCISであった。(5)石灰化病変の形態・分布は,微小円形・淡く不明瞭での集簇・区域性では悪性は20%以下であったが,多形性不均一・集簇性は64%と高率であった。【結語】悪性例の8割以上はDCISであり,ST-MMTは乳癌の早期診断に有用であった。ST-MMTで良性と診断され,他に所見がなければ年1回の検診で問題ないが,要経過観察例はMRIによる精査や追加切除を最低でも6カ月毎の慎重な経過観察が必要である。石灰化病変が多形性不均一・集簇性であれば悪性の可能性が高く,USで所見がない場合は必ずST-MMTを施行すべきと考えられた。

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参考文献 (13)*注記

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