クームス陰性自己免疫性溶血性貧血を併発しリツキシマブが奏効した後天性無巨核球性血小板減少性紫斑病

書誌事項

タイトル別名
  • Successful rituximab treatment for acquired amegakaryocytic thrombocytopenic purpura complicated with Coombs-negative autoimmune hemolytic anemia
  • 症例報告 クームス陰性自己免疫性溶血性貧血を併発しリツキシマブが奏効した後天性無巨核球性血小板減少性紫斑病
  • ショウレイ ホウコク クームス インセイ ジコ メンエキセイ ヨウケツセイ ヒンケツ オ ヘイハツ シ リツキシマブ ガ ソウコウ シタ コウテンセイ ムキョカクキュウセイ ケッショウバン ゲンショウセイ シハンビョウ

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抄録

後天性無巨核球性血小板減少性紫斑病(AATP)は,骨髄巨核球が選択的に消失または高度に減少する希少疾患である。症例は67歳,男性。2ヶ月前からの出血傾向を自覚し近医を受診。高度の血小板減少を認め,当科紹介となった。骨髄は巨核球のみが欠如し,顆粒球系,赤芽球系に異形成を認めないことからAATPと診断した。また,軽度の正球性正色素性貧血,ハプトグロビン測定感度以下,直接・間接coombs試験陰性および赤血球結合IgG高値より,coombs陰性自己免疫性溶血性貧血(AIHA)の併発と診断した。Cyclosporin 200 mg/日を開始し,prednisoloneを併用するも血小板輸血依存性であった。Rituximab 375 mg/m2/週の8回の投与にて著明な貧血と血小板減少の改善が得られた。AATPは血小板減少症の鑑別疾患の一つであり,免疫抑制療法が第一選択と考えられる。AATPにAIHAが併発しrituximabが奏効した症例は本報告が初である。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 54 (6), 568-573, 2013

    一般社団法人 日本血液学会

参考文献 (15)*注記

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