患者が歯科の「医療事故」を認知するプロセスに関する質的研究

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タイトル別名
  • QUALITATIVE STUDY OF THE RECOGNITION OF ADVERSE EVENTS BY PATIENTS AT DENTAL CLINICS
  • カンジャ ガ シカ ノ 「 イリョウ ジコ 」 オ ニンチ スル プロセス ニ カンスル シツテキ ケンキュウ

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抄録

本研究は患者・家族が歯科の「医療事故」をどのように認知,体験しているかそのプロセスを検討した。調査対象者2,000人を抽出し,自記式調査票を用いた郵送法による調査を行った(回収率29.0%)。歯科の「医療事故」体験について19事例の回答が得られ,うち1事例は聞き取り調査を行った。患者・家族が歯科の「医療事故」を認知するプロセスとして,異常な痛みの認知,感覚的に認知された異変,口腔機能の低下の異常が認知されていた。そして,診断/治療・治療結果の食い違い,治療結果の医学的な評価といった客観的な情報を通じて患者・家族は「医療事故」を認知していた。また,その過程において医療者の不適切な説明と対応が「医療事故」の認知に影響を及ぼしていた。医療者は患者の過去の受療歴と治療結果,患者が思い描く治療方法・結果について事前に聴取し,予測しうるネガティブな治療結果や症状について十分に説明することが求められる。

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参考文献 (25)*注記

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