重金属で汚染された土壌の溶出挙動とゼオライト添加による溶出防止

  • 藤本 沙貴
    関西大学環境都市工学部 エネルギー・環境工学科
  • 村山 憲弘
    関西大学環境都市工学部 エネルギー・環境工学科
  • 芝田 隼次
    関西大学環境都市工学部 エネルギー・環境工学科

書誌事項

タイトル別名
  • Dissolution of Heavy Metals from Contaminated Soils and Its Prevention by Zeolite
  • ジュウキンゾク デ オセン サレタ ドジョウ ノ ヨウシュツキョドウ ト ゼオライト テンカ ニ ヨル ヨウシュツボウシ

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抄録

採取場所の異なる4種類の土壌に対して,Pb, CdおよびCuの成分がそれぞれ300 mg/kg-dry soilとなるように,汚染された土壌を作成した.人工汚染土壌からの重金属の溶出におよぼす溶出液のpHの影響を検討した.いずれの土壌でも,初期pH 2以下で重金属の溶出濃度は急激に増加した.初期pH 4–10の領域では,重金属の溶出濃度は低くほぼ一定であった.それぞれの土壌は,含有成分から生じる特有のpH緩衝作用を示した.腐植物質や有機質を多く含む土壌では,初期pH 12–14のとき,これらの溶出に伴ってCuの溶出濃度が増加した.石炭灰から合成したゼオライトを添加して汚染土壌中の重金属の溶出防止を試みた.ゼオライトと汚染土壌を撹拌槽中で撹拌する溶出試験と,ゼオライトと汚染土壌を混合したペレット成形体を用いる溶出試験を検討した.ゼオライトの陽イオン交換作用および溶液pHの上昇により土壌からの重金属の溶出濃度は低下した.どちらの試験からもゼオライトの添加によって重金属で汚染された土壌中の重金属の溶出防止が可能であることがわかった.

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参考文献 (33)*注記

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