完全直腸脱を合併した進行直腸癌の1例

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  • Advanced Rectal Cancer Complicated with Complete Rectal Prolapse: A Case Report

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抄録

完全直腸脱を合併した進行直腸癌の1例を経験したので報告する.<BR>症例は92歳の女性,60年前から内痔核・直腸脱の既往があった.2011年8月に近医で直腸Rbに腫瘍を指摘されるも放置していた.2012年1月に非環納性直腸脱および肛門出血を認め当科受診し,脱出腸管に全周性の腫瘍を認めた.生検にて高分化型腺癌と診断し腹会陰式直腸切断術を施行した.病理組織学的結果は高分化型腺癌で深達度はAであった.<BR>完全直腸脱を合併した進行直腸癌の症例は極めて稀であり,本邦での報告は自験例を含め7例のみであった.本症例は直腸脱の病悩期間が長く,直腸への物理的刺激などにより癌が発生した可能性を検討するのに興味ある症例であった.近年,高齢女性の直腸脱は増加しており,直腸癌合併症例の増加も予測される.全身状態と根治性のバランスを十分考慮した治療法の選択が重要であると考えられた.

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参考文献 (16)*注記

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