門脈ガスを伴ったα-グルコシダーゼ阻害薬による腸管嚢腫様気腫症の1例

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タイトル別名
  • A Case of Pneumatosis Cystoides Intestinalis with Hepatic Portal Venous Gas Induced by α-Glucosidase Inhibitor
  • 症例 門脈ガスを伴ったα-グルコシダーゼ阻害薬による腸管囊腫様気腫症の1例
  • ショウレイ モンミャク ガス オ トモナッタ a-グルコシダーゼ ソガイヤク ニ ヨル チョウカンノウ シュ ヨウキシュショウ ノ 1レイ
  • A Case of Pneumatosis Cystoides Intestinalis with Hepatic Portal Venous Gas Induced by ^|^alpha;-Glucosidase Inhibitor

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抄録

症例は74歳,女性.浣腸を施行後,腹部膨満が生じ近医を受診した.腹部X線写真にてフリーエアを認めたため,当院へ搬送された.CT検査にてフリーエアと門脈ガス,小腸の気腫性変化を認めた.しかし腹水は認めず腸管血流が保たれていたこと,腹痛および腹膜刺激症状も認めなかったため,経過観察とした.第2病日のCT検査ではフリーエアおよび門脈ガスの消失を認めた.消化管穿孔を否定するために上下部消化管内視鏡検査を行ったが異常所見は認めなかった.糖尿病に対しα-グルコシダーゼ阻害薬を内服していたため休薬とした.その後,腸管気腫像は改善した.近年,糖尿病治療薬であるα-グルコシダーゼ阻害薬による腸管気腫症の報告が散見されるようになった.自験例はα-グルコシダーゼ阻害薬が原因となって腸管気腫を発症したと考える.浣腸による急激な腸管内圧上昇が気腫の破裂,ガスの血管内移行を惹起し,フリーエアと門脈ガスを生じたと考える.

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参考文献 (21)*注記

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