大網裂孔ヘルニアに捻転を伴って嵌頓した浮遊胆嚢の1例

書誌事項

タイトル別名
  • Incarcerated Transepiploic Hernia Consisting of a Floating Gallbladder with Torsion—Report of a Case—
  • 症例 大網裂孔ヘルニアに捻転を伴って嵌頓した浮遊胆囊の1例
  • ショウレイ ダイモウレツコウ ヘルニア ニ ネンテン オ トモナッテ カントンシタ フユウ タンノウ ノ 1レイ
  • Incarcerated Transepiploic Hernia Consisting of a Floating Gallbladder with Torsion^|^mdash;Report of a Case^|^mdash;

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抄録

症例は96歳,女性.上腹部痛,発熱で来院した.体重36kgで亀背が著明であった.CTで腫大し壁肥厚を伴う胆嚢の足側への下垂を認めた.横断・冠状断・矢状断面ともに胆嚢は肝下面とは離れていた.胆嚢壁の造影効果は減弱していた.血管の渦巻き像と胆嚢頸部に鳥嘴状の狭小像を認めた.胆嚢捻転と診断し緊急手術を行った.開腹所見ではGross II型の浮遊胆嚢で壊疽性胆嚢炎の所見を呈していた.先端が胆嚢近傍に癒着する大網に連続したループ状の索状物が胆嚢を入れ頸部を強く絞扼していた.大網裂孔ヘルニアへの胆嚢の嵌頓と診断し,捻転が180度であったため絞扼による血流障害が主と考えた.胆嚢摘出術を施行し術後経過は順調であった.浮遊胆嚢と炎症による大網の癒着に加齢やるいそうなどの身体的要因が加わったことで大網裂孔ヘルニアへの胆嚢嵌頓につながったと思われた.現在まで,同様の症例報告はなくまれと考え報告した.

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参考文献 (18)*注記

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