ガングリオンにより膝窩静脈閉塞をきたした1例

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タイトル別名
  • Popliteal Vein Occlusion Caused by the Ganglion: A Case Report

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抄録

●要  約:症例は63歳男性で,左下肢腫脹を主訴に前医を受診した.エコー検査で左膝窩静脈閉塞の診断で当科へ紹介された.CT検査,静脈造影検査で嚢胞性病変による膝窩静脈圧排で静脈閉塞を認めた.発生部位から膝窩動脈外膜嚢腫の診断で手術を行った.腹臥位で膝窩を切開し,動静脈から嚢胞を剥離しようとしたが,周囲との癒着が高度で剥離できなかった.嚢胞を切開したところ,ゼリー状の内容物であり,性状からガングリオンと診断した.内容の吸引と嚢胞壁の可及的切除を行い,手術を終了した.嚢胞壁の病理学的診断でもガングリオンであった.術後,膝窩動静脈周囲には嚢胞が残存していたが,圧排所見はなく経過している.膝窩動静脈を圧排する嚢胞性疾患では膝窩動脈外膜嚢腫が知られているが,ガングリオンによって狭窄 / 閉塞を生じることもあり念頭に置くべきであると思われた.

収録刊行物

  • 静脈学

    静脈学 24 (3), 327-331, 2013

    日本静脈学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (12)*注記

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