転移性乳がんに対する<sup>89</sup>Srを含む集学的治療後に非典型的な発症経過を呈した治療関連急性前骨髄球性白血病

書誌事項

タイトル別名
  • Atypical onset of therapy-related acute promyelocytic leukemia after combined modality therapy including <sup>89</sup>Sr for metastatic breast cancer
  • 症例報告 転移性乳がんに対する⁸⁹Srを含む集学的治療後に非典型的な発症経過を呈した治療関連急性前骨髄球性白血病
  • ショウレイ ホウコク テンイセイ ニュウガン ニ タイスル ⁸ ⁹ Sr オ フクム シュウガクテキ チリョウ ゴ ニ ヒテンケイテキ ナ ハッショウ ケイカ オ テイシタ チリョウ カンレン キュウセイ ゼン コツズイキュウセイ ハッケツビョウ

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抄録

51歳女性。7年前に左浸潤性乳管がん・腋窩リンパ節転移・肝転移と診断され,アンスラサイクリンとタキサンベースの化学療法に続き,リュープロレリンおよび抗エストロゲン製剤による内分泌療法を施行。1年半前に骨転移による疼痛のため頚椎へ定位照射施行,5ヶ月前に放射性同位元素内用剤89Srを投与した。その後徐々に汎血球減少が進行し,やがて輸血依存となったため当科紹介。骨髄液の鏡検では重度低形成のため確定診断に至らなかったが,PML-RARA FISHが陽性となり,急性前骨髄球性白血病(APL)と診断した。全トランスレチノイン酸を投与し,約3週間で造血が回復し,顆粒球の分化が見られるようになった。経過を通じて播種性血管内凝固や分化症候群は見られなかった。これまで89Sr投与後に発症したAPLは報告されておらず,本症例は発症経過も非典型的であり,治療関連白血病の診断治療にはその特殊性を考慮した診療が求められると考えられた。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 54 (8), 759-763, 2013

    一般社団法人 日本血液学会

参考文献 (14)*注記

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