精巣胚細胞腫瘍由来の発症が示唆された急性骨髄性白血病

書誌事項

タイトル別名
  • Acute myeloid leukemia possibly originating from the same clone of testicular germ cell tumor
  • 症例報告 第168回日本血液学会例会 : 薄井紀子例会長 推薦演題 精巣胚細胞腫瘍由来の発症が示唆された急性骨髄性白血病
  • ショウレイ ホウコク ダイ168カイ ニホン ケツエキ ガッカイ レイカイ : ハクイノリコ レイカイチョウ スイセン エンダイ セイソウハイサイボウ シュヨウ ユライ ノ ハッショウ ガ シサ サレタ キュウセイ コツズイセイ ハッケツビョウ

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抄録

症例は30歳男性。26歳時に精巣悪性混合型胚細胞腫瘍を発症。手術・化学療法が施行され,経過観察されていた。胚細胞腫瘍発症から4年後,汎血球減少,LDH上昇が出現し,血液内科に紹介。骨髄のライト・ギムザ染色では芽球様細胞が95%以上を占めており,これらの細胞はミエロペルオキシダーゼ(MPO)染色陰性であった。病理学的には急性骨髄性白血病(AML)に矛盾しなかった。フローサイトメトリーでは大部分がCD45-CD34+CD13+であった。骨髄・精巣腫瘍検体を用いたfluorescence in situ hybridization法にて,両検体で第12染色体短腕領域の増幅を認めた。AMLに準じた寛解導入療法により寛解を得たのち,地固め療法に続いてHLA一致同胞より同種造血幹細胞移植を施行した。移植後1年以上血液学的寛解を維持し,精巣腫瘍の再発も認めていない。本症例の骨髄腫瘍は,FISH検査にて類似の異常を認めることから精巣胚細胞性腫瘍と共通起源を持つ細胞に由来し,AMLとほぼ同様の病態を呈したものと考えられる。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 54 (8), 764-768, 2013

    一般社団法人 日本血液学会

参考文献 (14)*注記

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