冷式抗体保有患者への対応抗原陽性赤血球製剤輸血:多施設共同研究による冷式抗体の臨床的意義の評価

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  • A PROSPECTIVE CLINICAL TRIAL OF HEMOLYTIC REACTION IN PATIENTS WITH POSITIVE COLD-REACTIVE ANTIBODIES FOLLOWING TRANSFUSION OF CORRESPONDING ANTIGEN

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抄録

[背景と目的]37℃で反応しない冷式赤血球抗体は,臨床的な意義は低いと言われているが,そのエビデンスデータは数多くはない.保有する冷式抗体と不適合な赤血球を輸血した症例に関し輸血後溶血反応を調査した.<br> [対象および方法]全国の15医療機関において,冷式抗体(抗P1,抗M,抗N,抗Lea,抗Leb)を保有し,赤血球製剤が輸血された患者のうち,対応抗原陽性赤血球が輸血された症例を対象とし,溶血の有無を生化学検査値(T-Bil,LDH,AST)の変動と臨床症状で判定した.<br> [結果]冷式抗体を保有する115名のうち,充分な検査データが得られなかった60名を除いた55例の患者(79件の不適合赤血球輸血が実施)を評価した.内訳は,抗P1:13件,抗M:18件,抗Lea:16件,抗Leb:31件,抗Lea+b:1件で,各抗体との不適合赤血球量は1から46バッグであった.溶血所見はどの患者にも見い出されなかった.<br> [結論]今回実施した多施設共同研究の結果より,冷式抗体(抗P1,抗M,抗Lea,抗Leb)保有患者への対応抗原陽性赤血球輸血においては,急性溶血性輸血反応は起こらないことが示唆された.<br>

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