左腎静脈内ステント留置術が奏功したナットクラッカー症候群の1例

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タイトル別名
  • NUTCRACKER SYNDROME TREATED BY ENDOVASCULAR STENTING OF THE LEFT RENAL VEIN
  • 症例報告 左腎静脈内ステント留置術が奏功したナットクラッカー症候群の1例
  • ショウレイ ホウコク サジンジョウミャク ナイ ステント リュウチジュツ ガ ソウコウ シタ ナットクラッカー ショウコウグン ノ 1レイ

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抄録

強い血尿を伴うナットクラッカー症候群に対して,左腎静脈ステント留置術を行い,良好な結果を得た症例を報告する.症例は26歳女性.2009年1月から肉眼的血尿および左背部痛を認め,近医受診.ナットクラッカー症候群の診断の下,経過観察されていた.その後も高度な血尿が持続し,精査加療目的にて2010年8月当科紹介受診.CTにて上腸間膜動脈と大動脈間の左腎静脈狭窄所見を認めた.膀胱鏡検査では左尿管口からの出血,尿管鏡検査では左腎盂粘膜からのびまん性出血が確認された.尿細胞診はClass IIであった.その後も経過観察されていたが,高度な肉眼的血尿と左側腹部痛の改善を認めなかったため,当院倫理委員会の承認および本人の同意を得て,2011年7月左腎静脈内ステント留置術目的で入院となった.術中所見では,左腎静脈から下大静脈への返血の遅れと拡張した多数の側副血行路を認めた.ステント留置術は,Bard社製自己拡張型(径12×40 mm)血管ステントを左腎静脈内に2本留置することで,狭窄は改善し,側副血行路も消失した.術後の有意な有害事象は認めず,術後第4病日にて退院.術後3カ月のCTでは,左腎静脈の再狭窄を認めず,術後6カ月で血尿および腰背部痛は消失した.

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参考文献 (14)*注記

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