Phytophthora capsici の遊走子とその鞭毛(農学部門)

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タイトル別名
  • Phytophthora capsiciの遊走子とその鞭毛
  • Phytophthora capsici ノ ユウソウコ ト ソノ ベンモウ
  • Zoospores of Phytophthora capsici and their flagella (Agriculture)

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抄録

Phytophthora capsiciの遊走子, 鞭毛および被のう時にみられる鞭毛の変化について, 電子顕微鏡による観察を行なった。遊走子は1層の原形質膜から成り, 細胞壁は有しない。内部には1個の大きな核をもち, 小胞体(ER)やミトコンドリアがよく発達している。また, 多数の脂質顆粒を有し, その附近ではとくにクリステのよく発達したミトコンドリアが多数存在し, それらをERが幾重にも取り囲んで, 活発な代謝活動の行なわれている様相を示していた。このほか, 未知の小胞や液胞状の構造も多数認められ, 遊走子の微細構造はすこぶる複雑である。鞭毛はムチ型およびブラシ型の各1本を有し, 典型的な9+2構造から成っているらしい。被のうが近づく際, 鞭毛にみられるふくらみ(小球体)は特別の内部構造のない膜質で, その内部で鞭毛がコイル状に巻き上っていることが多い。この鞭毛のふくらみは収縮胞の機能の低下にもとづく膨圧の高まりによって生じたものと推察される。

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