<血行動態に関する研究>脳卒中易発症性高血圧自然発症ラットの摘出腎動脈におけるドパミンの弛緩作用

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抄録

6および12週齢の脳卒中易発症性高血圧自然発症ラット(SHRSP)ならびにウィスター京都ラット(WKY)の摘出腎動脈リング標本におけるドパミンの弛緩作用について検討した.6週齢のWKYならびにSHRSPにおいて, ドパミン(0.1-30μM)は, フェノキシベンザミン(2μM)を前処置し, KCl(EC_<50>)で収縮させた腎動脈主幹部ならびに腎動脈第2-3枝を用量依存的に弛緩させたが, その程度は腎動脈第2-3枝の方が大きかった.さらに, 腎動脈第2-3枝における弛緩反応は, SHRSPでWKYに比し大であった.一方, 12週齢のラット腎動脈主幹部では, ドパミンによる弛緩反応は認められなかった.12週齢のWKYならびにSHRSPの腎動脈第2-3枝におけるドパミンの弛緩反応は, いずれの群においても6週齢で見られた弛緩反応に比し減弱したが, その程度はWKYの方が大きかった.ホルスコリンによる弛緩反応は, いずれの標本においてもWKYとSHRSPとの間に差異は見られず, また加齢による変化も認められなかった.以上の結果より, ラット腎動脈のドパミンによる弛緩反応の加齢による減弱ならびにSHRSPの腎動脈で見られたドパミンに対する反応性の亢進には, 受容体レベルでの変化が関与している可能性が示唆された.

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