Multicentric Castleman's Disease患者に認められたT細胞芽球化抑制因子の同定

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抄録

Multicentric Castleman's Diseaseは非定型リンパ球増殖性疾患の1つであり,多クローン性形質細胞性リンパ腫の組織像を呈し,臨床像としては発熱,貧血,高ガンマグロブリン血症等の急性炎症性変化を来す疾患群である.またその臨床経過中免疫異常を来し,感染症や悪性疾患を合併するものもあるが,その原因は不明である.本研究では,Multicentric Castleman's Disease患者血清中にレクチン誘導性T細胞芽球化を著明に抑制する分画を見いだし,分離後検討を加えた.患者血清より分離精製されてきたT細胞芽球化抑制因子の候補として,IL-6依存性急性炎症性タンパクであるα2マクログロブリンが考えられた.同分子は以前より免役機構への関与が考えられている720kDの巨大分子である.この患者由来のα2マクログロブリンは健常人由来のそれと比較して強い芽球化抑制能を示し,また一方ではペプチドマッピングにおいて泳動パターンの相違を認め,両者間の質的差異が示唆された.これらのことから,患者由来のα2マクログロブリンが何らかの修飾を受けることによって,より強い芽球化抑制能を獲得していると考えられた.

本文データはCiNiiから複製したものである。

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