高齢者の僧帽弁狭窄症における経皮的経静脈的僧帽弁交連切開術の検討

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抄録

僧帽弁狭窄症(MS)の治療は,非直視下僧帽弁交連切開術や直視下僧帽弁交連切開術に代わり,近年,経皮的経静脈的僧帽弁交連切開術(PTMC)による治療が行われてきている.PTMCは,経心房中隔的にバルーンカテーテルを用いて狭窄した僧帽弁を拡大する方法であり,本研究では,高齢者のMSに対するPTMCの有効性,安全性を検討した.対象はPTMCを施行したMS連続42例で,全症例を65歳未満の非高齢者群32例,65歳以上の高齢者群10例に分けた.僧帽弁口面積は,断層心エコー図法にて弁口内周をトレースして計測した.僧帽弁口面積は非高齢者群でPTMC直前1.3±0.4cm^2,PTMC直後2.1±0.5cm^2,高齢者群でPTMC直前1.3±0.3cm^2,PTMC直後2.0±0.3cm^2と両群で僧帽弁口面積が有意に拡大した(それぞれ,p<0.001).僧帽弁口面積のPTMC前後での拡大は,非高齢者群0.7±0.4cm^2,高齢者群0.6±0.3cm^2と両群で差はなかった.高齢者のMSでも非高齢者と同等にPTMCにより僧帽弁口面積は拡大し,重症の僧帽弁逆流の発生もなく,安全に施行できることが判明した.

本文データはCiNiiから複製したものである。

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