インスリン抵抗性症候群及び2型糖尿病患者におけるLMNA遺伝子変異の検討

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抄録

金沢大学医系研究循環医

インスリン抵抗性症候群および2型糖尿病患者におけるLMNA遺伝子変異について検討した.対象は,黒色表皮症を伴ったインスリン抵抗性男性患者8名(平均年齢20.8歳),男性2型糖尿病患者164名(平均年齢48.4歳)および男性非糖尿病対照者171名(平均年齢53.9歳)で,末梢白血球より分離した高分子DNAを用いた.インスリン抵抗性患者で,エクソン10の1908番目の塩基がCからTへ変異する一塩基変異多型のみが3名に認められた.変異型ホモ(1908T/T)のラミンAおよびラミンCのmRNAレベルでの明らかな異常は認められなかった.1908CtoTの変異型群の頻度は,非糖尿病群に比し糖尿病群で有意に高値であった.1908CtoTの変異型群では,1908C/C群に比し血清総コレステロール,血清中性脂肪,空腹時インスリン値,HOMAが有意に高値で,HDL-Cが有意に低値であった.以上より,LMNA 1908CtoT遺伝子多型は日本人男性においてインスリン抵抗性を介して糖尿病や脂質代謝異常に関連している可能性が考えられた

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identifier:2002182306

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