<原著>幼児が遊びに参加する際の言語的スキルの検討(幼児教育科)
書誌事項
- タイトル別名
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- <Original Papers>A Study on Verbal Skills Used in Children's Play (Infant Education)
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抄録
社会的スキルとは,他者との関係や相互作用のために使われる技能である。これまで子どもは社会的スキルを仲間同士で遊びながら学習すると考えられていた。しかし現代において,子どもたちはこのような自然な学習のあり方から遠ざけられている。社会的スキルは,子どもの現在および将来における社会生活に大きな影響を与えている。そこで,社会的スキルに欠ける子どもに対しては教育やトレーニングが必要となる。その代表的なものが社会的スキルトレーニングである。社会的スキルトレーニングとは,対人関係を構築し,それを維持するために必要な行動を習得するためのものである。本研究では,遊びに参加する際の社会的スキル,とくに言語的スキルについて検討を行った。幼児期の子どもが遊びに参加するためには,どのような援助を行うのが効果的であるかを明らかにすることを目的に,幼児32名の自由遊びの時間の行動につき,20回にわたる観察・記録を行った。その結果,遊びに参加する際の言語的スキルの出現頻度は,「許可・質問」がもっとも高いが,参加成功率のもっとも高いのは,出現頻度がもっとも低かった「会話・勧誘」の言語的スキルであることが明らかになった。この結果は,社会的スキルトレーニングにおけるスキルの選定にあたって少なからず示唆を与えている。
収録刊行物
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- 足利短期大学研究紀要
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足利短期大学研究紀要 19 (1), 1-7, 1999-03-15
足利短期大学
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1573105976633543936
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- NII論文ID
- 110000222027
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- NII書誌ID
- AN00330636
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- ISSN
- 03893278
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- CiNii Articles