チタンの鋳造における鋳込み時間の測定

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抄録

チタン鋳造用遠心鋳造機および差圧鋳造機で純チタンを鋳造した場合の鋳込み時間を熱電対法により測定し、次の結果が得られた。(1)チタン用遠心鋳造機(チタニウマー、オハラ)では、バネ巻回数が多いほど鋳込み時間は短くなった。バネ巻回数35、室温鋳型、4φのコイル状パターン(全長200mm)では鋳込み時間は0.03secであった。(2)チタン用差圧鋳造機(サイクラーク、モリタ)では、高温鋳型、4φのコイル状パターンでは鋳込み時間は0.05~0.09secであった。また、高温鋳型、2φのコイル状パターンでは鋳造圧が高くなると鋳込み時間はそれにともない短くなった。以上の結果から、それぞれメーカー指定の鋳造条件で比較すると、鋳込み時間は遠心鋳造の方が短かった。しかし、チタンを鋳造するさいの鋳造条件や鋳造原理が異なっているので、鋳込み時間の優劣からただちに鋳造機、鋳造条件の優劣を決定することは適当でないと考える。また、鋳造体の品質評価、つまり鋳造欠陥や寸法適合性などについてもさらに検討する必要がある。

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