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抄録
トビケラ類はカゲロウ類・カワゲラ類とあわせで水生昆虫類のなかでは,非常に大きな分類群である.トビケラ類も他の水生昆虫類と同様に幼虫による種の決定は非常に困難である.特にシマトビケラ科・ナガレトビレラ科などにおいては,近縁種間における区別点などに問題点が多い。現在日本におけるトビケラ類は成虫で200余種が確認されているが,谷田(1985)によると成虫と幼虫が結びついているのは80種ほどである.それゆえ河川底生生物相を扱った調査資料の信頼性は低く,地埴生物相の比較などの互換性に多くの混乱をまねいている.今後,調査データーを比較検討するには,地埴生物相の解明が急務だと思われる.そのためには幼虫の飼育などによる成虫との結びつきを明らかにすることなどの分類学的な整理が必要と思われる.本報では主に成虫による種の決定をおこない,幼虫は近似種間の区別が明確でない種については,飼育により確認された種以外は幼虫の記録を省略し,成虫の記録のみにとどめた.本文をまとめるにあたり,一部の標本について同定ならびに助言をいただいた大阪府立大学谷田一三博士と,採集に同行して種々の助言をいただいた旭技術研究所,小林紀雄氏に厚く御礼申し上げます.