しそ油とオリーブしそ油摂取が血清脂質・過酸化脂質・凝固線溶系に及ぼす影響

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タイトル別名
  • Effect of shiso oil and olive-shiso oil on serum lipids, lipid peroxides and blood coagulation-fibrinolysis
  • シソアブラ ト オリーブシソアブラ セッシュ ガ ケッセイ シシツ カサンカ シシツ ギョウコセンヨウケイ ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

type:P(論文)

血清脂質改善作用があるn-9系多価不飽和脂肪酸のオレイン酸はオリーブ油に多く含まれ,また同作用をもつn-3系多価不飽和脂肪酸のα-リノレン酸はしそ油に多く含まれている。これらの脂肪酸が,年々増え続ける生活習慣病において有効な役割を果たすかどうかの検討をした。オレイン酸とα-リノレン酸の混合油であるオリーブしそ油とα-リノレン酸を主とするしそ油を,それぞれ別々の期間で毎日20gずつ14日間若年女性11名に摂取させて,過酸化脂質,血清脂質,動脈硬化因子であるトリグリセライド(triglyceride : 以下TG)との関わりが注目されている血液凝固線溶系への影響を比較検討した。その結果,しそ油では血中線維素原であるフィブリノーゲンの低下作用及び摂取後14日目でのTG低下作用を確認した。さらにTGと血液凝固抑制作用のあるt-PA,フィブリノーゲンと血栓形成作用のあるPAI-1,フィブリノーゲンとPAI-1,フィブリノーゲンとt-PA,t-PAとPAI-1間で正相関がみられた。オリーブしそ油ではしそ油よりも強い血清脂質改善作用とフィブリノーゲンの抑制作用,t-PAの増加作用が認められ,さらにTGとフィブリノーゲン,TGとPAI-1,TGとt-PA,フィブリノーゲンとPAI-1,フィブリノーゲンとt-PA,t-PAとPAI-1間で正相関がみられた。このように,各油摂取による血液への影響をそれぞれ確認し,n-3系とn-3+n-9系脂肪酸の重要性がわかった。

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