体位変換時の若年者・高齢者の生体への影響-自動的・徒手的体位変換時の比較-

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  • タイイ ヘンカンジ ノ ジャクネンシャ コウレイシャ ノ セイタイ エ ノ エイキョウ ジドウテキ トシュテキ タイイ ヘンカンジ ノ ヒカク

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抄録

本研究では,若年者11 名(女子大学生,平均21.9歳),高齢者8名(平均79.9歳)を対象に,体位変換補助機器を使用した場合(自動群)と看護者が徒手で体位変換した場合(徒手群)の生体に及ぼす影響を測定し,安全・安楽な体位変換についての検討を行った。測定内容は,仰臥位から左右側臥位直後,5分後の血圧・脈拍・肺活量・自覚症状である。分析は,安静仰臥位あるいは立位を基準値として,各体位変換直後,5分後の血圧・脈拍・肺活量の増減を算出し,比較した。その結果,徒手群における若年者では仰臥位から左側臥位直後・5分後の脈拍に有意差が認められ,基準値より減少した者が多かった。自動群における高齢者では仰臥位から左側臥位直後・5分後の肺活量に有意差が認められ,基準値より減少した者が多かった。自覚症状では高齢者が若年者よりも訴えが少なかった。これらのことから,若年者・高齢者共に,仰臥位から左側臥位直後・5分後に影響が大きいことが明らかになった。安全で安楽な体位変換をするには,仰臥位から側臥位の変換時に脈拍や呼吸を観察し,特に訴えの少ない高齢者の微妙な変化に気づき,対応することが重要であることが示唆された。

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