密生した街路樹をもつ路上空間における晴天日の気温分布

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  • Microclimate of an Urban Canyon with Thick Street Trees
  • ミッセイシタ ガイロジュ オ モツ ロジョウ クウカン ニ オケル セイテンビ

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抄録

密生した街路樹をもつ仙台市定禅寺通において,路上空間の気温分布を平面的・鉛直的に観測し,都市中心部の路上空間における街路樹が果たす小気候学的役割について,考察を行なった.その結果, 5月から10月の街路樹の繁茂期では,樹冠上端部は晴天日の日中,顕著な受熱面となり,キャニオン内は上暖下冷の気温分布を呈し,地上気温は周辺の市街地に比べ0.5~1.5°C低温となる。この低温化によって街路樹下の相対湿度は高くなるが,水蒸気圧は必ずしも高くはない.また夜間においては樹冠上端部は放熱面となる.一方, 11月から4月の無葉期では,気温に及ぼす街路樹の影響は希薄となり,建物による日照条件によって,晴天日の日中は北暖南冷の気温分布を呈する。また無葉期には,上層風の巻きこみによって生ずるキャニオン内の空気循環が地上まで達し,気温分布を変形させる効果も大きくなると考えられる.

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