DEMを用いた地形計測による山地の流域分類の試み—阿武隈山地を例として—

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タイトル別名
  • A Study of DEM-based Drainage Basin Classification: The Case of the Abukuma Mountains
  • DEMを用いた地形計測による山地の流域分類の試み--阿武隈山地を例として
  • DEM オ モチイタ チケイ ケイソク ニヨル サンチ ノ リュウイキ ブンル

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抄録

阿武隈山地を対象としてデジタル標高モデル(DEM)を用いて地形計測を行い,同じ地形的特徴を持つ山地流域を分類した.まずDEMから54個の流域を抽出し,11個の地形特徴量を計測した.計測した地形特徴量を直接用いて流域を分類する手法と,地形特徴量を変量とした主成分分析の結果得られる主成分を用いて流域を分類する手法とを比較した結果,後者の手法が的確に流域を分類できることが分かった.この結果,本研究で対象にしたすべての流域は4個のクラスターに分類された.このとき流域の地形は,地形の険しさ,流域の形状,流路の発達状況の3個の主成分で説明できる.各クラスターの特徴は以下の通りである.クラスター1は山地中央部の孤立峰を流域内に含み,地形が険しく流路が発達している.クラスター2は断層破砕帯などに沿った谷を流域内に含み,細長い平面形態である.クラスター3は上位の侵食平坦面を流域内に含み,やや深い谷と浅い谷に開析されており,比較的険しい.クラスター4は上位面から砂礫が供給される低位の侵食平坦面を流域内に含み,クラスター3よりもなだらかである.クラスター3・4の流路はクラスター1よりも発達していない.このように,DEMを用いた地形計測をもとにして,同じ地形的特徴を持つ流域を同-クラスターに客観的に分類することができた.

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