矢作川下流低地における完新世後半の地形環境の変遷

• 川瀬 久美子

  名古屋大学大学院生

書誌事項

タイトル別名

• Late Holocene Paleoenvironmental Changes in the Yahagi River Lowlands, Central Japan
• ヤハギ ガワカリュウ テイチ ニ オケル カンシンセイ コウハン ノ チケイ

抄録

中部日本の矢作川下流低地において,ボーリング資料の整理,加速器分析質量計による堆積物の¹⁴C年代値の測定,珪藻分析,考古資料の整理を行い,完新世後半の三角州の離水過程と地形環境の変化を明らかにした.縄文海進高頂期以降, 3000～2500年前に三角州の離水が広範囲で進行した.これは相対的海水準の低下(弥生の小海退)の影響と推定される.また,この時期に離水した地域およびその上流では,約3000年前以降は安定した後背湿地的環境であったが,約2000年前頃から洪水氾濫の影響が強くなり(河川氾濫期I),古墳時代には顕著な自然堤防が形成されるようになった(河川氾濫期II).この一連の堆積環境の変化には,気候の湿潤化による洪水氾濫の激化と,人為的な森林破壊による土砂供給量の増大とが関与している可能性がある.

収録刊行物

• Geographical Review of Japa,. Ser. A, Chirigaku Hyoron

  Geographical Review of Japa,. Ser. A, Chirigaku Hyoron 71 (6), 411-435, 1998

  公益社団法人 日本地理学会

キーワード

• 完新世後半
• 矢作川下流低地
• 離水三角州
• 古環境
• 珪藻分析

詳細情報

• CRID: 1390001205424694400
• NII論文ID: 110000521537
• NII論文ID: 10007420767
• NII論文ID: 10012917898
• NII書誌ID: AN1016484X
• DOI: 10.4157/grj1984a.71.6_411
• ISSN: 21851735
• ISSN: 00167444
• NDL書誌ID: 4490830
• Web Site: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I4490830
• Web Site: https://www.jstage.jst.go.jp/article/grj1984a/71/6/71_6_411/_pdf
• データソース種別:
  • JaLC
  • NDL
  • Crossref
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可