ラットの盲腸内容物に及ぼすスピルリナの影響(自然科学編)

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  • Effects of Spirulina (Spirulina plantensis) on Cecum Contents in Rats

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抄録

スピルリナ(Spirulina)は藍藻類ラセソ科に属する微生物で名称の示す通り螺旋状に藻体が連なっている藻類である。この微生物はもともと熱帯地方を中心とする湖沼に自生していたが,近年我が国を初めとして人工培養池で無機態窒素を原料とし大量に生産されるようになった。成分の特徴は蛋白質を60~70%含んでいること,アミノ酸バランスが優れていること,各種ビタミソ,ミネラルを豊富に含有していることなどである。これらのことからスピルリナの栄養価は高く評価されクロレラと共に将来の有力な蛋白質源,あるいは医療的効果のある食品として期待され,各方面で応用に関する研究が進められている。スピルリナの利用面については飼料資源の他に,食品としてパン・クッキー・チーズ・練り製品・飲料水などに混ぜて用いられ,あるいは,ある種の成分,例えば食餌性繊維質などにみられる医療,保健的効果を目的とした健康食品への応用,更に,スピルリナの持つ特有の色素を利用した青色天然着色料として製品化されている。最近のバイオテクノロジーの進歩に伴い,スピルリナの利用も増加しつつあるが,市場を見渡すとまだまだ食品としての開発の余地が多く残されている感がする。そこで,未来の食糧として期待がもたれるスピルリナについて,食物繊維の投与効果の有無を盲腸内における変化としてとらえることに着目した。今回は,渡邊等の報告した幼ラットの成長に及ぼすスピルリナ投与の影響についての続編として,ラットにおける盲腸内のビタミン産生およびBifidobacterium,Lactobacillusの生育に及ぼすスピルリナの影響を検討したので報告する。

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