WGAトランスジーンを用いての嗅覚神経回路の可視化(<総説特集>嗅覚神経系の機能構築-4)

• 吉原 良浩

  理化学研究所・脳科学総合研究センター・シナプス分子機構研究チーム

書誌事項

タイトル別名

• Visualization of olfactory neural pathways using WGA transgene
• WGAトランスジーンを用いての嗅覚神経回路の可視化
• WGA トランスジーン オ モチイテ ノ キュウカク シンケイ カイロ ノ カシカ

抄録

鼻から脳へと匂いの情報を伝達・処理するための神経線維連絡パターンが明らかになってきた。そこには巧妙・緻密・整然という言葉がピッタリとあてはまるような軸索投射のための秩序だった基本ルールが存在している。その分子・細胞メカニズムの解明とともに、脳における匂いイメージの形成へのシステムレベルでのアプローチが、嗅覚研究における次なる大きな課題である。私たちは経シナプス性トレーサーとして古くから神経解剖学て利用されてきた小麦胚芽レクチン(WGA)をトランスジーンとして用いることによって特定の神経回路を選択的に可視化する新技術を開発した。現在この技術を嗅覚神経系に応用し、ある特定の匂い分子受容体を発現する嗅細胞群から嗅球さらには嗅皮質に至る神経回路をラベルすることによって、嗅皮質における匂い情報コーディングパターンの可視化に取り組んでいる。鼻に始まった嗅覚研究は今、脳の奥へ、奥へと向かっている。

収録刊行物

• 日本味と匂学会誌

  日本味と匂学会誌 9 (1), 51-56, 2002

  日本味と匂学会

キーワード

• WGA
• 経シナプス性トレーサー
• 嗅皮質
• トランスジーン
• アデノウイルスベクター
• ノックインマウス

詳細情報

• CRID: 1390564237989425408
• NII論文ID: 110001100638
• NII書誌ID: AA11426393
• DOI: 10.18965/tasteandsmell.9.1_51
• ISSN: 24241326
• ISSN: 13404806
• NDL書誌ID: 6133485
• Web Site: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I6133485
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • NDL
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可