多臓器不全, DIC, 縦隔気腫を合併した神経性食欲不振症の1例

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タイトル別名
  • A Case of Anorexia Nervosa with Multiple Organ Failure, Disseminated Intravascular Coagulation Syndrome and Mediastinal Emphysema

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抄録

神経性食欲不振症には著明なるいそうに伴う致死的な合併症が数多く知られている。今回我々は多臓器不全, DIC, 縦隔気種を合併した神経性食欲不振症の1例を経験したので報告する。症例は18歳, 女性。短大入学後9カ月で60kg(BMI22.5)から36kg(BMI13.5)に体重減少し, 当院を訪れた。その後2週間で5kgの減少があり, 昏睡状態にて緊急入院となった。入院時胸部CTにて縦隔気腫と皮下気種を認め, GOT5,840IU/l, GPT4,090IU/lと重症の肝機能障害とDICが存在した。入院後さらに十二指腸潰瘍, 急性膵炎を発生したため, 中心静脈栄養, メシル酸ガベキサート, 血小板輸血, H_2ブロッカーなどを投与した結果, 全身状態は改善した。また食事も摂取し始め, 体重も増加していき, 第141病日37.2kgとなって退院した。本症例の合併症はすべて極度のるいそう, 特に急速な体重減少によるものと思われた。

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 36 (8), 703-707, 1996

    一般社団法人 日本心身医学会

被引用文献 (6)*注記

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参考文献 (15)*注記

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