人格障害を伴ういわゆる難治摂食障害患者の治療の現況と問題点(摂食障害に対する治療の最近の進歩)(第37回日本心身医学会総会)

書誌事項

タイトル別名
  • Personality Disorders in Patients with Treatment-Resistant Eating Disorders(Recent Progress in the Treatment of Eating Disorders)
  • 人格障害を伴ういわゆる難治摂食障害患者の治療の現況と問題点
  • ジンカク ショウガイ オ トモナウ イワユル ナンジ セッショク ショウガイ

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抄録

摂食障害患者の人格障害の合併は, 欧米では50〜70%とされ, 合併すると治療に抵抗し, 予後不良とされている。われわれの研究では, 63例の摂食障害患者のうち, 54%がSCID-IIでなんらかの人格障害に診断され, これらの患者では, 社会適応状態が不良で, 過食や自殺企図, 不安, うつ, 摂食障害に関する精神病理など, さまざまな臨床症状がより重症で難治と考えられた。これらに対しては, 摂食障害のみに焦点を当てた治療は困難となる場合が多く, 人格障害に関連したさまざまな精神病理, 行動および社会適応上の問題などを念頭に置いた治療が要求され, 特に安定した治療関係の構築や衝動的問題行動への対応, 家族の支持などが重要と考えられた。

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 37 (1), 61-68, 1996

    一般社団法人 日本心身医学会

被引用文献 (5)*注記

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参考文献 (10)*注記

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