揚げ衣の品質に及ぼすゴマ油の混合効果

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of Sesame Oil Mixed with Soybean Oil on the Quality of Fried Batter of Tempura (Koromo)

この論文をさがす

抄録

揚げ衣の品質評価に及ぼす、ゴマ油の混合効果について、重量比で小麦粉1に対し蒸留水2を加えて調製したバッターを、175℃の油で天かす状に揚げた衣を試料にして調べ、以下の結果を得た。1.サフラワー油、グレープシード油、ヒマワリ油、綿実油、トウモロコシ油、ダイズ油、ゴマ油およびナタネ油の8種のうち、サンフラワー油、グレープシード油、ヒマワリ油は官能的に評価が低く、ゴマ油は香りの評価が高かった。2.増減法による重回帰分析から、サフラワー油、グレープシード油、ヒマワリ油および綿実油で揚げたものは、総合評価に「油の味」と「口あたり」の寄与率が高く、これらの4種の油には官能的に類似性がみられた。その他のダイズ油では「油の味」のみが、ナタネ油では「香りの良さ」と「油の味」が、また、ゴマ油では「香りの良さ、油の味、口あたり」のすべてが総合評価に寄与していることがわかった。3.ダイズ油とゴマ油の混合油では、ゴマ油を0、10、30、50および100%になるようにした5種のうち、ゴマ油が30および50%のものが高い評価を得た。増減法による重回帰分析から、ゴマ油30%混合のものは「油の味」のみが、50および100%になると3属性すべてが総合評価に寄与することがわかった。4.衣の水分は0.8-2.8%で、ゴマ油30および50%混合のものが低く、官能評価との間には負の相関性があり、水分の多い衣は、官能評価が悪かった。5.衣の色は、ゴマ油30および50%混合のものが中間でほどよい色調であった。

収録刊行物

  • 調理科学

    調理科学 25 (3), 201-206, 1992-08-20

    調理科学研究会

被引用文献 (3)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ