名古屋コーチン(名古屋種)鶏肉の食品組織学的特性(第2報) : コーチンもも肉の組織構造とその成分について

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タイトル別名
  • Food Histological Characteristics of Chicken Meat in Nagoya-Cochin (Nagoya Breed)(Part 2) : Relationship between Histological Structures and Structural Components in Dark Meat of Nagoya-Cochin

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抄録

コーチンのもも肉の筋細胞の食品組織学的特徴と一般成分・硬さなどの食品化学的特性との関係を検討した。得られた実験結果を要約すると次のとおりである。1)皮膚と皮下脂肪および骨を取り除いたコーチンとブロイラーの生のもも肉の主な成分(水分・粗蛋白質・粗脂肪)には、差が認められなかった。2)屠殺後、3時間冷蔵と72時間冷蔵のもも肉の破断強度は、コーチンとブロイラーの品種間で有意差を認めなかった。しかし、屠殺後、24時間冷蔵と48時間冷蔵のもも肉の破断強度は、両品種間に有意差を認めた。すなわち、屠殺後、24時間冷蔵と48時間冷蔵のコーチンのもも肉は、ブロイラーのそれよりも硬いことを示した。3)もも肉中では、コーチンがブロイラーの約2.6倍のヒドロキシプロリンを含有していた。4)電子顕微鏡観察から、ブロイラーの鶏肉(もも肉)がコーチンよりも屠殺後の形態的変化が大きいことが認められた。特に、コーチンのZ線が、屠殺後の冷蔵で電子密度を高く保ったままで、直径の減少と断裂が認められるのに対して、ブロイラーのZ線の電子密度が、屠殺後24時間冷蔵で明らかな減少を示した。この電子密度の減少にともなって、Z線の細分化に移行した。コーチンとブロイラーはともにZ線の幅は減少したが、ブロイラーがコーチンよりもZ線の幅の減少の傾向が強い。鶏肉の筋肉繊維のZ線の形態の死語変化からコーチンとブロイラーの筋自体の食肉としての硬さに差が生じることが示唆された。

収録刊行物

  • 調理科学

    調理科学 27 (3), 183-190, 1994-08-20

    調理科学研究会

被引用文献 (7)*注記

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