義和団事変における日本赤十字社の看護人 : 近代看護史のなかの男性看護者(4)

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  • Male Nurses in the History of Modern Nursing (4) : Male Nurses of the Japanese Red Cross Society in the Boxer Rebellion

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抄録

日本赤十字社は, 義和団事変の勃発により陸海軍の命令を受け, 大沽や天津などの戦地に医員・看護人などの男性救護員を, 戦地から国内に傷病兵を輸送する病院船に医員・看護人の他に初めて看護婦を救護員に加え, そして広島陸軍予備病院には看護人を除く医員・看護婦などの救護員を派遣した。戦地での看護人は, 患者診断所(療養所)や兵站病院で医員の診療介助や輸送を待つ患者の看護などに従事した。また, 救護先への衛生材料の運搬や大沽までの患者輸送なども行った。病院船での看護人は, 船内での患者看護の他に患者の搬出入に従事した。看護人の多くは, 日赤の本社・支部が明治29年以降養成を開始していた準備看護人であった。日清戦争と比較した場合, 戦時救護の実戦的訓練を受けた看護人が派遣された点, 看護人長など管理職の比率が増えた点, 軍人への接遇に対して養成教育の効果があった点, などの違いが見られた。

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