「正の強化」を手段から目的へ(<特集>ノーマライゼーションと行動分析) Radical "Positive Reinforce-ism"(<Special Issue>"Normalization and Behavior Analysis" Behavior Analytic Normalization)

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著者

    • 望月 昭 MOCHIZUKI AKIRA
    • 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所 Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center

抄録

当論文は、今回の特集号を編集するにあたって、行動分析と行動分析者が、ノーマライゼーションの原理や運動に対して、どのように貢献できるかについて確認したものである。これまで行動分析は、一般的には、障害分野において個人の行動を現実環境へ適応させたり、地域化というノーマライゼーションの大きな方針のもとで問題行動を減じる為などに用いられるテクニックとして捉えられてきた。しかし、三項随伴性に代表される行動に対する関係的な枠組みや、行動とそれに対する徹底的な正の強化の配置を尊重するスキナーの「倫理観」は、それ自体が単なるテクニックを越えた、哲学から方法論までを備えた、既成のノーマライゼーション原理に匹敵する体系として考える事ができる。この行動分析的ノーマライゼーションにおいては、"正の強化を受ける行動の選択肢の拡大"と運動の目標を表現することができる。そして、この目標達成に向けて、障害を持った個人に対して、従来の「教育・療育」のみでなく、適正な「援助・援護」行動や、環境設定の実験的分析としてのシミュレーションの方法が検討される必要がある。

The unique function of behavior analysis and behavior analyst on normalization was discussed. In the field of mental retardation, behavior analysis has served mainly as a technology under some goal setting such as normalization, and the technology had been used as a tool which should adapt an individual to the environment. The framework of the three-term contingency and behavioral "ethics" asserted by Skinner, however, can be a context that itself directs each service program in advance of normalization. The goal of " behavior-analytic" normalization can, therefore, be represented as the enhancement of behavioral options positively reinforced. In the future research under this framework, the functional analysis of "assisting" person rather than "teaching" and the methodology of the simulation (experimental analysis of the environment) for an individual with mental retardation must be investigated systematically.

収録刊行物

  • 行動分析学研究

    行動分析学研究 8(1), 4-11, 1995

    一般社団法人 日本行動分析学会

被引用文献:  3件中 1-3件 を表示

各種コード

  • NII論文ID(NAID)
    110001223518
  • 本文言語コード
    JPN
  • 資料種別
    雑誌論文
  • データ提供元
    CJP引用  NII-ELS  J-STAGE 
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