北九州市のと畜場における作業行動とトキプラズマ症へのリスク

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タイトル別名
  • Risk of <i>Toxoplasma gondii</i> Infection in Slaughterhouse Workers in Kitakyushu City
  • Risk of Toxoplasma gondii Infection in Slaughterhouse Workers in Kitakyushu City

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抄録

と畜場におけるトキソプラズマ感染の危険性を明らかにする目的で, 北九州市食肉センターにおけると畜従事者の作業行動を調査し, 同時にと畜従事者および搬入豚のトキソプラズマに対する抗体陽性率、抗体価の変動との関係を解析した.<br>その結果, と畜従事者67人中トキソプラズマ抗体陽性22人(陽性率32.8%), 搬入豚は208頭中陽性19頭(陽性率9.1%)であった, と畜従事者の年齢および従業年数別の比較では, 30歳以下では0%, 31歳以上では40%前後の抗体陽性が認められ, 特に61歳以上では66.7%と高率であった. 従業年数別では, 5年以下で25.0%, 6年以上で41.5%の抗体陽性が認められた. また, 豚と畜従事者(陽性率32.4%)と牛と畜従事者(33.9%)との間に抗体陽性率の差は認められなかった.<br>と畜従事者は依然としてトキソプラズマに対する高い抗体陽性率を有しているが, 若年層および従業年数が少ない群では抗体陽性率がかなり低くなっている. また, 搬入豚の抗体陽性率が昔と比べ著しく低くなっていることから, と畜場におけるトキソプラズマ感染の危険性は低くなってきているものと推察された.

収録刊行物

  • Journal of UOEH

    Journal of UOEH 23 (3), 233-243, 2001

    学校法人 産業医科大学

被引用文献 (2)*注記

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