多発性肝膿瘍を契機に発見された回腸原発平滑筋肉腫の1例

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  • A Case Report of Ileum Leiomyosarcoma Presenting As Multiple Liver Abscess

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抄録

下血などの消化器症状がない場合,回腸平滑筋肉腫の術前確定診断は,その解剖学的位置・頻度から困難であることが多い.症例は53歳の女性で,他院にて多発性肝膿瘍の治療中骨盤腔内腫瘤を指摘され女性付属器腫瘍の疑いで当院へ紹介された.骨盤部MRI検査で膀胱背側子宮直腸前面に6cm大の不整な腫瘤を認め,充実性卵巣腫瘍の診断のもと婦人科において開腹手術施行された.術中回腸原発腫瘍と判明,外科転科後回腸切除術施行し病理診断で平滑筋肉腫の診断を得た.我々の検索しえた限り1985年以降,肝膿瘍を合併した小腸腫瘍の本邦報告例は自験例を含めて12例であった.自験例の肝膿瘍起炎菌は小腸常在菌のStreptococcus intermediusであり,小腸常在菌を起炎菌とする肝膿瘍に骨盤腔内腫瘤の併発をみた場合,小腸腫瘍の存在を念頭に置く必要があると考えられた.

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