大腿に及ぶ広範な腸腰筋膿瘍を形成した Crohn 病の1例

• 西島 弘二

  国立金沢病院外科

• 桐山 正人

  国立金沢病院外科

• 伊藤 博

  国立金沢病院外科

• 伊井 徹

  国立金沢病院外科

• 黒阪 慶幸

  国立金沢病院外科

• 竹川 茂

  国立金沢病院外科

• 道場 昭太郎

  国立金沢病院外科

• 小島 靖彦

  国立金沢病院外科

• 渡辺 騏七郎

  国立金沢病院臨床検査科

書誌事項

タイトル別名

• Crohn's Disease Complicating Psoas Abscess Expanded to Upper Thigh : Report of a Case

抄録

症例は20歳の男性で,14歳時よりCrohn病の診断を受けていた.19歳時,右大腿部膿瘍を併発したが,経皮的ドレナージで軽快したため経過観察していた.1年6か月後,大腿部の疼痛,腫脹が再び出現し,精査で回盲部後腹膜から大腿に及ぶ広範な膿瘍形成と診断し,手術を施行した.手術時所見では回盲部は腫大,硬化し,虫垂が後腹膜に穿通して後腹膜膿瘍を形成していた.膿瘍は右腸腰筋に沿って下行し,右大腿前面に及んでおり,回盲部切除術,後腹膜ドレナージ,および大腿部の膿瘍ドレナージを施行した.術後は合併症なく経過し,現在まで再発を認めていない.Crohn病における腸腰筋膿瘍合併の本邦報告例は少なく,大腿前面にまで及ぶ広範な膿瘍を合併した症例はさらにまれである.今回,外科的治療で広範な腸腰筋膿瘍が治癒した1例を経験したので報告する.

収録刊行物

• 日本消化器外科学会雑誌

  日本消化器外科学会雑誌 36 (11), 1603-1608, 2003-11-01

  一般社団法人日本消化器外科学会

キーワード

• Crohn's disease
• psoas abscess
• femoral abscess

詳細情報

• CRID: 1570572701968555264
• NII論文ID: 110001294745
• NII書誌ID: AN00192066
• ISSN: 03869768
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2004062129
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • CiNii Articles