腹腔内出血をきたし発見された脾臓原発血管肉腫の1例

• 菅野 雅彦

  順天堂大学医学部第1外科

• 那須 元美

  順天堂大学医学部第1外科

• 塚田 健次

  順天堂大学医学部第1外科

• 高山 敏夫

  順天堂大学医学部第1外科

• 北島 政幸

  順天堂大学医学部第1外科

• 安藤 隆夫

  順天堂大学医学部第1外科

• 信川 文誠

  順天堂大学医学部第1病理

• 梶山 美明

  順天堂大学医学部第1外科

• 鎌野 俊紀

  順天堂大学医学部第1外科

• 鶴丸 昌彦

  順天堂大学医学部第1外科

書誌事項

タイトル別名

• A Case of the Splenic Angiosarcoma with Intraperitoneal Hemorrahage

抄録

肺臓原発血管肉腫の頻度は非常にまれである.我々は腹腔内出血で発見された肺臓原発血管肉腫の1例を経験した.症例は50歳の女性,主訴は腹痛,ショックで搬入された.腹部CTでは肺臓は腫大し,多数の結節性病変を認めた.また,肝腫大も認め,内部には微小結節性病変を認めた.腹腔穿刺にて血性腹水を認めたため,腹腔内出血の診断で緊急手術を施行した.開腹時,約3.000mlの血液の貯留を認め,肺臓は多数の結節性病変で占居されていた。肺臓破裂も認めたため岫卑臓摘出術を施行し,肝生検も施行した.摘出標本の免疫組織染色および分子生物学的診断より,肺臓原発血管肉腫と診断した.肺臓原発血管肉腫の予後は非常に悪く,この症例も,術後80病日で肝転移の増大とDisseminated Intravascular Coagulation にて死亡した.肺腫の鑑別診断の際には本症を念頭に置くべきであると考えられた.本邦報告70例の検討とともに症例報告をする.

収録刊行物

• 日本消化器外科学会雑誌

  日本消化器外科学会雑誌 36 (12), 1688-1693, 2003-12-01

  一般社団法人日本消化器外科学会

キーワード

• angiosarcoma
• splenic tumor
• Loss of heterozygosity

詳細情報

• CRID: 1570854176945257728
• NII論文ID: 110001294760
• NII書誌ID: AN00192066
• ISSN: 03869768
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2004102681
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • CiNii Articles