十二指腸乳頭部癌に対する幽門輪温存膵頭 十二指腸切除術後膵胃吻合部癌の1例

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  • Pancreatic Carcinoma in the Pancreaticogastrostomy site after Pylorus-preserving Pancreatoduodenectomy for Cancer of the Papilla of Vater

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抄録

十二指腸乳頭部癌に対する幽門輪温存膵頭十二指腸切除後5年目に発生した残膵癌に対し残膵全摘を行い根治切除をしえた1例を経験したので報告する。患者は75歳の女性で, 1994年9月十二指腸乳頭部癌に対して幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を施行し, 膵断端は組織学的に癌浸潤陰性であり, 膵胃吻合により再建した。術後経過良好であったが5年後の1999年11月健診目的で施行した胃内視鏡検査で胃体中部後壁の膵胃吻合部に中心陥門を有する隆起性病変を認め生検ではtubular adenocarcinoma であった。隆起の主座は残膵合部にあったので残膵癌と判断し残膵全摘, 胃幽門側切除, 摘脾を行い胃空腸接合で再建した。最終病理組織診断は膵乳頭腺癌で (ts_1, S_o, rp_<11>, pv_0, a_e, t_<te>, n_0, stage II) であった。十二指腸乳頭部癌切除術後の残膵癌の切除報告は極めてまれであり, 根治切除ができた基調な症例と考えられるので重複癌や転移再発癌との鑑別も含めて報告する。

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